Chirality 2017; ISCD-29において基調講演を行いました

2017年7月9~12日に早稲田大学国際会議場において、Chirality 2017; 29th International Symposium on Chiral Discrimination (ISCD-29)が開催されました。本学会は、キラリティーを切り口とした国際会議で、不斉合成、生体触媒、キラル分析、超分子キラリティー、キラルポリマー、キラル結晶などの化学分野からライフサイエンス、物理学にわたる極めて幅広い分野の専門家が参加し、活発な討論が行われました。これまでにも世界各地で毎年開催されており、本年で29回目ですが、日本での開催は、2010年の札幌以来、7年ぶりとなりました。今回の参加者は約370名で、昨年のノーベル化学賞のJean-Pierre Sauvage先生と日本化学会長の山本尚先生によるplenary lecture2件、およびkeynote lecture6件、invited lecture27件を含む計82件の口頭発表と185件のポスター発表がありました。

 スペラファーマからは製薬研究本部の山野光久が、基調講演(keynote lecture)として"Catalytic Asymmetric Hydrogenation for Practical API Manufacturing Processes"のタイトルで、武田薬品から引き継いだキラル技術のうち、不斉水素化反応にスポットをあてて発表しました。本講演では武田薬品が開発してきたキラルな原薬の合成プロセスへの不斉水素化反応の適用事例を紹介し、この中で立体選択性や反応性を向上させるために、反応基質に応じて触媒の構造をファインチューニングすることの重要性を示しました。あわせて、ファインチューニングの際に開発した不斉配位子の合成法や新規不斉配位子(DTBM-BINAP, DADMP-BINAP等)についても紹介しました。

 今回の講演の中で紹介した不斉水素化反応における触媒量の低減の実例の一つは、有機合成化学協会誌2017年5月特集号キラリティー研究の最前線において(pp.432-440)、詳細が:掲載されています。スペラファーマでは、不斉水素化反応を中心とした不斉触媒反応を始めとして、酵素反応、ジアステレオマー塩技術、キラルカラム技術といった様々なキラルテクノロジーについてお客様のニーズにあわせたソリューションを提供していきます。