スペラファーマのキラルテクノロジー

スペラファーマが、武田薬品から引き継いだ特徴ある技術の一つとして、プロセス化学部門において長年培ってきたキラル技術があります。スペラファーマでは、キラル技術に関する設備、研究者を全て引き継いで7/1よりCMCのOne stopサービスの一部として事業を開始します。

武田薬品におけるキラル技術は、今から約20年前に、ERATOの野依分子触媒プロジェクトに出向していた研究者の帰任後、その指導のもとにスタートしました。以来、キラルな新薬の製造法の開発を目的として、不斉水素化反応を中心とした不斉金属触媒反応の研究開発や、分析や分取を目的としたキラルカラム技術、高いエナンチオ選択性が期待できる酵素技術、製造プロセス構築に必須となるジアステレオマー塩技術と多岐にわたって取り組んできました。スペラファーマでは、これらの技術を単独もしくは組み合わせて、お客様のニーズにあわせたソリューションを提供していきます。特に、ハイスループット技術を駆使したキラル固定相の選択、不斉触媒の選択、酵素の選択、ジアステレオマー塩の選択といったスクリーニングのサービスを、お客様に満足いただけるスピードで提供いたします。また、キラル技術を適用した製造プロセスのスケールアップにも精通しており、自社設備としてGMP対応のオートクレーブ(300, 500 L)ならびに触媒調製に特化したろ過乾燥機を保有しており、反応スケールは10,000 Lの商用スケールまでの実績もあります。さらに周辺技術として、金属触媒反応に求められることの多い脱酸素条件の設定・管理ならびに残留金属の除去に必要となるメタルスカベンジャースクリーニングにも対応します。

不斉金属触媒反応においては、市販の触媒ライブラリーからのスクリーニングに留まらず、反応基質に応じて触媒の構造をファインチューニングすることにより、エナンチオ選択性や反応活性が向上した高機能の触媒を開発することまで踏み込んで行ってきました。これらの研究成果を、特許、学術論文、学会発表等の幅広い媒体を通じて発信することにより、この分野の発展にも貢献しています。これまでの不斉水素化反応の新薬の製造法開発に適用した事例については、来る2017年7月に早稲田大学で開催されるChirality2017 (http://chiralitytokyo2017.jp/plenary_lectures.html)での基調講演として、山野光久より発表される予定です。
(スペラファーマ株式会社(前武田薬品工業株式会社) 主席研究員 山野光久)