スケールアップシミュレーション技術
蓄積された経験にもとづく化学工学的スケールアップシミュレーション技術を活用することで、スケールアップの際に発生するトラブルを未然に解決することや、製造の堅牢性および生産性を向上させることができます。
例えば、オイルダウンし易く結晶粒度分布に大きなバラツキがあった原薬の晶析法について、シミュレーション技術を用いて再現性ある晶析法を開発しました。(Cryst. Growth Des., 2014, 14(11), 6006)
また、水和物原薬に関し、真空乾燥条件を詳細に検討して商用スケールにおいても確実に短時間で高品質の原薬を得る方法を開発しました。(分離技術, 2013, 43, 375)
項目 | シミュレーション技術例 |
反応 |
- RC1を用いた発熱特性取得および現場反応窯の特性を組み入れた独自のシミュレーションソフトによる発熱制御予測
- ガス吸収反応のスケールアップ
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濃縮 |
- 独自のソフトによる混合溶媒の単蒸留時の溶媒組成シミュレーション
- 濃縮時間予測
- 最適な濃縮法の提案
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晶析 |
- 攪拌動力、過飽和度経時変化を考慮したスケールアップ
- 所望の結晶形、粒度を再現性良く得る操作法の開発
- Cocrystal、最適な塩としての原薬開発でLCMへ繋げる
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濾過 |
- 種々の濾過特性評価と独自のソフトによるスケールアップ計算
(加圧濾過、遠心濾過、閉塞濾過、助剤濾過)
- 洗浄、脱液のシミュレーション
- 最適な濾過手法の提案
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乾燥 |
- 排気速度も考慮した独自乾燥実験装置によるデータ取得とスケールアップ時の予測計算
- 水和物取得乾燥法の開発
- 難除去性溶媒の削減
- 乾燥時凝集の回避
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粉砕 | |